生徒用p.15 放射線から身を守るには ↑前のページへもどる

確かに、ここには放射線から身を守る方法が解説されていますが、あまりに一般的な内容で、教育現場で役立つとは思えません。現在何故、こどもたちが放射線から身を守らなければならないのか、その原因についてはどこにも詳しい解説はありません。つまり、福島原発の事故で大量の放射線が放出されたこと。どれだけの放射性物質が放出され、どこに放射性物質がどれくらい蓄積しているのか、といった具体的なデータがありません。
 また、このところ問題になっている、ホット・スポット、マイクロ・スポット が実際にはどんなところに存在しているのか、具体例で示す必要があります。
 実際の汚染の状況・汚染レベルに合わせて身を守る方法を具体的に考える必要があるはずですが、実際の汚染のデータはどこにも示されていません。

 また、内部被ばくに関して「放射性物質が決められた量より多く入ったりした水や食べ物をとらないように気をつけたりするなど対策をとることが大切です。」とあります。
 これば一般的な食品の暫定規制値、つまり500Bq/kg でしょうか? それとも2012年4月からの新規制値=100Bq/kgのことでしょうか? 
 そして、その新規制値100Bq/kgは本当に安全な値なのでしょうか? 101Bq/kgと99Bq/kgだったら、安全性に違いがあるのでしょうか? 100Bq/kgの食品は、何kgまでなら食べても大丈夫なのでしょうか?
   放射性物質にここまでなら大丈夫というしきい値はありません。ある人が食べるあらゆる食品の放射性物質を0Bqにすることは難しいかもしれませんが、できるかぎり放射性物質を食べないようにするか、あるいは、規制値を信用して、それ以下ならガマンして食べるか、大げさにいえば生き方の問題です。
   ただ、必要なことは、食品の測定がきちんと行われ、その値が正確に表示されるような食品の販売の仕方が必要なはずです。表示を見て買うか買わないか選ぶのは、それを買う人=消費者=市民です。

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