p.1-8  G:放射線との向き合い方を考える ↑前のページへもどる

 ここもおかしな文章で、何を言いたいのか奥歯に物が挟まったような表現です。
 なぜ「私たち一人一人が今後の放射線との向き合い方を考えていく」必要があるのでしょうか? 今日、放射線の問題と私たちが向き合わなければならなくなったのは、福島第一原発事故によって放射性物質が各地に拡散され、わたしたちの日常生活のすぐ近くに放射性物質が存在するようになってしまったためです。今日、私たちにとって事故由来の放射線は避けるべき対象です。ですから、向き合い方としたら、日常生活の中でどうやって被ばくしないですむかという対処の仕方を学ぶことであるべきです。
 この副読本の書き方ににじむニュアンスは、放射線は危険であるにしても役に立つことはあるのだから、放射線そのものを嫌わないで、生活の中で役立てていきましょう、といった感じでしょうか。

《図の上にカーソルをのせると大きくなります。》

 文科省がなぜそのようなことを言うのでしょう。背景には放射線に関わる研究開発機関の危機感があるように思います。放射線利用に関わる風評被害が拡大すると、放射線を扱う業界の売り上げに響くことになります。日本のCT検査機器やレントゲン機器などの放射線利用医療機器の普及率は世界一ですから、それを支える業界の規模も巨大です。さらにはそれに関連する原子力関連業界は、福島原発事故以来、原子力発電所の新増設が行き詰まり、存続の危機にさらされています。そんな業界を支えるため、文科省はこどもたちに放射線利用の有用性を訴えたいのではないでしょうか。  

        
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