p.1-16 O:復興は着実に進展? | ↑前のページへもどる |
復興は着実に進展しているでしょうか? さまざまなインフラの整備はかなりの進捗状況で、箱物の復旧は進んでいるようです。放射線副読本にはそうした復興をイメージさせる写真が複数掲載されています。 復興庁による住民意向調査(2015〜18年)では、帰還困難区域が設定されている町村を中心に帰還しない意向を持っている人々が50%以上(近く)にのぼります。大熊・双葉・富岡・浪江では、まだ判断がつかない方もいらっしゃいますが、戻っている・戻りたいと明確に意思表示している人は20%に足りません。 とりわけ深刻なのは、こどもたちが戻っていないことです。こどもたちが戻らない理由はいくつかあることでしょう。避難が長くなって、避難先の学校で友達ができ、保護者も生活基盤が出来てきたことで帰還する理由がなくなったこともあるでしょう。放射線の危険があれば、なおさら帰還する選択はなくなるのではないでしょうか。 右のグラフで、飯舘村や楢葉町の学校にこどもたちが戻っていますが、地元に住んでいるわけではありません。ほとんどが遠方の避難場所からスクールバスなどで通っている子どもたちのようです。 帰還・復興をうたっていても、こどもたちが戻ることがない・戻ることが出来ない町の未来とはどのようなものになるのでしょうか? およそ持続可能ではない未来像ではないでしょうか。 福島の状況は国際社会からも懸念されています。帰還・復興を最優先・強制させるような方針に対して、おもに放射線被ばくの観点から勧告・懸念が複数回にわたり発出されています。
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こうした度重なる国際機関の懸念・勧告は日本国内で共有されているでしょうか? 大手マスコミやテレビはこうしたことをほとんど報道しませんから、大部分の国民はこうして国際社会が懸念していることを知りません。国民だけでなく裁判官など司法関係者も知らないようで、最近の原発避難者訴訟など、避難者に対して不十分な補償しかない厳しい判決が続いています。国際社会の放射線に関する常識は、国内では通用しないようです。福島のような放射能汚染状況では避難する権利を認めていくのが国際社会の常識です。 |
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