低レベル放射性廃棄物A

   低レベル放射性廃棄物ほうしゃせいはいきぶつについて

Q:それで、「低レベル廃棄物ドラム缶」ってなあに?

A:それは右の写真のように、黄色いドラム缶につめて原発の敷地内しきちないにつまれているものよ。100万kW級の原発の場合、1年に約1000本のドラム缶が出るそうで、2004年までを全部たすとと下のグラフのようになるの。





Q:ドラム缶の中は?

A:原発などから出る放射能で汚れた液体をかためたものや、それをこす装置そうち、それにぞうきんや作業服などを小さくかためて焼いたものなどいろいろ。それをドラム缶に入れてアスファルトやプラスチックなどで固めてあるの。
 「低レベル」というんだからそんなにあぶなくはなさそうなんだけれど、実は非常に強い放射線をだす「高レベル」にくらべて低いというだけ。上の写真のドラム缶はそうでもないみたいだけど、なかには、もし人間の体内に入った場合、最大で何万人もの人に癌がんを発生させるだけの放射能が含まれているものもあるそうよ。


Q:そのドラム缶は今どうなっているの?

A:原発の敷地には限りがあるわね。どこかに移さねばということで、初めのころは海に捨てたこともあったけれど、これは住民の反対でやめたわ。
 今は、一か所に集めてうめるための法律を作って、青森県六ケ所村の「低レベル放射性廃棄物埋設まいせつセンター」という所にうめているの。上の写真がその写真で300万本うめる計画なんですって。この施設は、地下に作ったコンクリート製のもので、ドラム缶を積み重ねるようにできているの。
 うめ終って30年までは水もれを調べたりする計画だけれど、その後はほとんど何もせず、300年で規制きせいをなくすそうよ。実はそれでもまだ放射能が残っているのに・・・・。
 300年後って想像そうぞうできる?






仮名手本忠臣蔵
(かなでほんちゅうしんぐら)より、大星由良之助
   (おおほしゆらのすけ)
 今から300年前の日本ではこの歌舞伎(かぶき)のモデルになった赤穂浪士(あこうろうし)の討ち入り事件があった。300年後にはこの世の中はどうなっているだろう?
Q:大丈夫なの?それで?

A:まあ左の地図を見てちょうだい。ここはまわりに沼があり、地下水がとても多い場所で、そのうちドラム缶が腐ってくさって沼地や井戸が汚染おせんされることはだれでもわかるでしょう。地震や近くの自衛隊とアメリカ軍の軍事基地(三沢基地)のことも心配だし。今そこで働いている人たちや、近くで暮らしている人たちも心配ね。 ドラム缶の運搬うんぱんや点検作業で放射線を浴びるし、うめた後でも放射線はもれ出るから。原発を続ける限り、こうした「生き物が近づけない場所」が、次々と広がってしまうわ。

Q:300年後の子供たちは、自分たちとは関係ない遠い先祖のこの施設を見たらどう思うかな?

【低レベル放射性廃棄物 おわり】


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