福島原発事故とヤマトシジミ I |
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■まとめ |
実験じっけん・観察かんさつによってわかったこと、考えられること。 |
■放射線について今回わかったこと @:これまではチョウをはじめ昆虫こんちゅうは「放射線に強いはずだ」と考えられていました。それは、短い時間に多くの放射線をあびた場合(短期高線量被ばくたんきこうせんりょうひばく )に、チョウなどは放射線に対して強かったということだったのではないでしょうか。 |
今回、大瀧先生たちがしらべたことは、長い期間きかんにわたって少しずつの放射線を被ばくした場合(長期低線量被ばくちょうきていせんりょうひばく)の影響えいきょう があることをあきらかにしました。 |
■福島のチョウからわかったことは? A:福島でつかまえてきたヤマトシジミは、つかまえた場所の放射線量が多くなるほど、全体として羽の大きさが小さくなっていました。 |
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●これは原発事故げんぱつじこ の放射線により、ヤマトシジミの成長せいちょう がさまたげられたのではないかと考えられます。 |
B:また、5月よりも9月に福島でつかまえたシジミのほうが、脚あし や触覚しょっかく ・複眼ふくがん などがおかしなかたちになったものや、羽のもようがかわって ![]() |
●このことは、放射線による異常いじょう が子から孫へと引きつがれ(これを遺伝いでん といいます)、つみかさなっていったのではないかと考えられます。 |
■福島のヤマトシジミの子孫たちからわかったことは? C:福島でつかまえられたチョウは、放射性物質の少ない沖縄へつれてこられて育てられました。その子どもや、孫の代になっても脚あし や触覚しょっかく ・複眼 ふくがん などがおかしなかたちになったものや、羽のもようが変わっているもの、 ![]() |
●このことは、放射線をあびた親の異常が、放射線をあびていない子から孫へと遺伝していったのではないかと考えられます。つまり親の世代で長い期間にわたって少しずつの放射線を被ばくした場合(長期低線量被ばくちょうきていせんりょうひばく)の影響えいきょう が、子孫へ遺伝いでん することが確かめられたのではないでしょうか。 |
■放射線をわざとあびせたチョウからわかったことは? D:沖縄でつかまえたヤマトシジミに、人間の手で放射線をあびせたら、つまり ![]() |
●福島のチョウにあらわれた異常は、沖縄で放射線をあびたチョウにあらわれたことと同じようでしたから、福島のチョウの異常は放射線をあびたこと、すなわち放射線の外部被ばくがいぶひばく による影響もふくまれると考えられます。 (なお、福島のチョウは被ばくしたカタバミをエサにしていますから、次の項目こうもく の内部被ばくの影響も考えられます。) |
■沖縄のチョウに福島でとれた汚染カタバミを食べさせたら? E:福島でとってきた放射能汚染ほうしゃのうおせん されたカタバミを、放射能の影響えいきょう のない沖縄のチョウに食べさせたらどうなったでしょうか。それらのチョウたちにも脚あし や触覚しょっかく ・複眼ふくがん などがおかしなかたちになったものや、羽のもようが ![]() |
●この実験は、放射性物質で汚染されたエサを食べたことによる、内部被ばくの影響えいきょう をしらべる実験です。放射線の内部被ばくないぶひばく でどんなことが起こるか、それは、福島のチョウに起こったことと同じだということを実験でたしかめることができました。 |
■これから調べなければならないこと 放射線をあびたり、放射性物質を食べたりすることによって、ヤマトシジミにいろいろな異常が起こることが確かめられました。しかも、その異常は子から孫へと遺伝することもわかりました。いま大瀧先生たちは、その遺伝がどのようなしくみで起こっているのか、遺伝のしくみをささえるヤマトシジミの遺伝子いでんし ![]() この研究にはとてもお金がかかります。研究を進めるために大瀧先生の研究室では皆さんからの寄付きふ を集めています。 また、将来しょうらい いっしょに研究してくれる人も集めています。 君もやってみませんか? くわしくは、 大瀧研究室のHPへ |
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