生徒用p.15 放射線の利用 ↑前のページへもどる

  CT もPET も、被ばく量はかなり大きいことを指摘するべきです。前述 したように、日本人の医療被ばくは世界一です。また、がんになる人の 3.2 %が医療被ばくによるものであるという報告もあります。高額な器機 が数多く普及したために、医師が安易にCT などに頼る医療行為が横 行しています。「〜 という医療行為が出来る。」という、メリットのみを記 述するのではなく、被ばくというデメリットも記述しなくては、これから発行する副教材としては問題が残ります。

  p.20 に、「コラム リスクとベネフィット」という記述がありますが、抽 象的で理解がむずかしい。CT やPET の記述の部分に、その話を結び つければ、理解はかんたんです。
  すなわち、「胸部・上腹部CT 検査一回のの被ばく量は8〜9mSvに も達し、これは、一般人の年間被ばく量の4倍から6倍に達する。従っ て、重篤な疾病の検査に限定して用いることが大事である。」というよう に。

  また、この分量の副教材にしては、「放射線の利用」の部分が比較的に多い という印象があります。編集者・文科省の意図として、放射線はこれだ け有用であるということを宣伝したいという意図が見え見えの内容にな っています。これでは、原子力開発推進を行ってきた従来の政策に対す る反省がまったく見られません。


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