教員用 p.22 ICRP コスト・ベネフィット
↑前のページへもどる

 「しかし、ICRPは、この防護措置について過大な費用と人員を掛けることなく、経済的、社会的に見て、合理的に達成できる限りにおいて行うべきであると述べている。」

  この部分は、ICRPにせよ、文科省にせよ、かなり問題な発言である。防護措置の手抜きの弁明のような内容である。基本的に人命第一ではなく、過大な費用人員をかけずに経済性社会性とのバランスで防護すればよいという主張であり、これは原子力を推進している人たちの本音なのだろう。大地震や大津波が想定されていたとしても、費用を惜しんで、あるいは、対策をとると危険なことがばれてしまうからといって、原発の安全強化策をとらなかったことの教訓は、まだ生かされていない。教育の場で、このようなことを子どもたちに教えるのは難しい。
  今目の前で、危険にさらされている人命があるとしたら、経済原理優先だから、救助にはお金がかかりすぎるので、救助はあきらめてください、と言明する人がいるだろうか? 放射線の影響は、晩発的影響でもあるだけに、すぐ目の前にある危険ではないところが、問題を見えにくくしている。

↑前のページへもどる   検証TOP▲