教員用p.8 原子核から出る放射線 ↑前のページへもどる

 放射線が放出されるのは、次の二つの場合です。
 一つめのケースは、ウラニウムなどの大きな原子の原子核に、中性子が衝突した時に、原子核が分裂します。これを核分裂といいます。核分裂 の時に、ベータ線・ガンマ線や中性子線などの放射線が放出されます。
 またウラニウムの場合、分裂した原子核1個から中性子が平均2個ほど飛び出し、その中性子がまた他のウラニウム原子核に衝突すると、そこでも核分裂が起こります。こうして次々に核分裂が起こることを、連鎖反応 といいます。このときに膨大なエネルギーが発生します。これが、原子爆弾や原子炉の原理です。ですから、原子爆弾と原子力発電は兄弟なのです。


 核分裂によって二つに割れた原子核は、それぞれ別の原子の原子核になります。 どんな原子に分裂するか、確率的にしかわかりません。できた核分裂生成物の原子は、たいていは不安定で、放射線が出ますので、「死の灰」と呼ばれます。  この核分裂生成物のように、アルファ線やベータ線・ガンマ線などを放出して自然に分解していくことを崩壊(壊変)といいます。この崩壊(壊変)が、原子から放射線が出る第二のケースです。

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