教員用 p.18
暫定規制値
|
↑前のページへもどる |
「暫定規制値は、すべての飲食物を一年間、毎日、摂取し続けても健康に影響がないことを前提として決められた基準であり、相当の安全を見込んで設定されている。」とまで書いておきながら、それに続いて、「被ばくによる健康への影響を出来るだけ低く抑えることが求められていることから、合理的に達成可能な範囲内で適宜、この暫定値は見直される。」と書かれている。 要するに、「暫定基準値」よりも、「健康への影響を出来るだけ低く抑えること」が出来る"別の基準値"が存在し、これはあくまでも「緊急時」のものであるわけだ。「相当の安全を見込んで設定されている」とはとても思えない。人々の不安を取り除くことにいかに汲汲としているかがよくわかる記述である。 下表は、日本人の一日の食物の平均摂取量をもとに、暫定基準値・新基準値(2012.4.より)・ウクライナの基準値で、各基準値ぎりぎりの食料を食べたときの一日のセシウム摂取量(ベクレル)、およびそれから年間のセシウム摂取量(ミリシーベルト)を計算したものである。 現実には、すべての食材で基準値めいっぱいの食材を食べることはあり得ないが、しかし、基準値というのは、そこまでの被ばくは「許される」あるいは「ガマンさせられる」値である。暫定基準値では、年間5mSvもの内部被ばくが許容され、新基準値でも年間約0.8mSvの内部被ばくまでガマンさせられることになっている。ウクライナの基準値は、およそその60%の被ばくになる。まだ日本の基準値は高いのではないだろうか。 ちなみに、100Bq/kg という数値は、原子炉等規制法(2005年改訂)で定められた 放射性廃棄物のクリアランスレベルと同等であり、 コンクリートなど建設資材などへの低レベル放射性廃棄物の再利用が認められている値である。再利用可能な放射性廃棄物と同等のレベルで、食品の放射線基準も定められていることになる。 |
↑前のページへもどる 検証TOP▲ |