教員用 p.28-b
避難勧告となる20ミリシーベルトの考え方
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ここではICRPの勧告は、絶対的な権威であり、これさえ守っていれば絶対大丈夫であるかのような記述である。しかし、 教師用指導書p.21の注 にもあるとおりICRPという組織は、絶対的なものではあり得ない。原子力産業界の意向を大きく受けた組織であることから、その勧告は放射能汚染事故の被害をできるだけ小さく見せようとしているという批判がある。そして、ICRP以外にも放射線防護に関わる勧告を出している組織があり、それらの中には、もっと厳しい基準を主張しているものもある。 したがって、ICRPの主張する緊急時の被ばく基準の最低線20mSvをさえ守っていれば大丈夫というわけではもちろんないし、緊急時であろうと無かろうと、人工放射線被ばくゼロが望ましいのにかわりはない。緊急時だから仕方なく20mSvまでガマンするしかないという状況なのに、この副読本の書き方だと、20mSvまでの被ばくなら緊急時は当然というニュアンスが問題である。被ばくを押しつけるような態度が問題だ。 またここには、年齢差が考慮されていない。いかに緊急時といえども、放射線への感受性の強い、妊婦・胎児・乳幼児・幼児など、成長活動の活発な年齢のこども達への被ばくは、年20ミリシーベルトでは大きすぎる。現に、原発事故の被災地では、こども達を被爆から救うために、1ミリシーベルトに出来る限り近づけるように、あとで文科省自身も基準を改定したことを忘れている。 生徒用p.20の注も参照 |
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