生徒用p.6 光と同じように放射線も身の回りにあります ↑前のページへもどる

 放射線・放射能をどうして身近な存在として理解しなければならないのか、その意図が問題です。小学生が持つべき認識は、基本的に放射線は生き物にとっては危険で、身の回りの放射線は少ないほどよいという認識のはずです。この副読本で文科省とその編集者が意図していることは、放射線は身の回りにあふれているから、恐れることはない、という認識でしょうか。何故、文科省が小学生たちに放射線に慣れ親しんでほしいのでしょうか? 原子力開発を推進するために、放射線への恐怖を取り除き、放射線を「日常のこと」として受容して、原子力への理解を深める、という理由以外にはあり得ないのではないでしょうか。
 しかし、福島原発事故以来、たしかに放射線は「身近なモノ」になりました。福島原発からまき散らされた放射能により、東日本のほとんどの地域で放射能は「身近」になってしまいました。そのような状況の中で、子どもたちの「放射線や放射性物質に対する理解」はどのようにあるべきか。それは当然、放射線・放射性物質の危険はどのようなもので、被ばくを避けるためにはどうしたらよいかということを知るためであるべきではないでしょうか。


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