教師用p.14 放射線量の線量 ベクレルとシーベルト | ↑前のページへもどる |
この記述は、まず、なにをいってるかよくわからないと思います。同じ「シーベルト Sv」 という単位が『「等価線量」 「実効線量」「1センチメートル線量等量」など、異なる定義の数量にも使用されている』ために混乱しがちです。 重要な点は Sv という単位が純粋な物理量ではないことです。国際放射線防護委員会(ICRP)・ 国際放射線単位測定委員会(ICRU)などの国際機関が中心となって、被ばくとその影響の観察・調査に基づき、 いうなれば"人為的に定めた数値"が用いられています。ICRP勧告が出される度に、ちょっとづつ改定されています(注1)。 これについて、兵頭俊夫元東大教授は次のように述べています。 「放射線被曝を防ぐ放射線防護の立場からは、ある瞬間にある場所に来ている放射線が体にどれだけ良くないかも含めて表現したいという要求があります。人体への影響は医学的な統計によらなければデータがないので、現在分かっていることが未来永劫正しいとは限りません。それでもそのような量で考えた方が目的に可能ので(ママ)そのような努力が続けられています。」 (兵頭俊夫氏のHPより) 「被ばくは、その影響を調べることを目的として計画的に発生させることはできません。そのため、戦争や事故などの不幸な出来事の被災者のデータ等を整理して判断しています。したがってその精度にも限界があります。」 (同上:兵頭俊夫氏のHPより) 研究者自身がこのような発言をしている一方で、過去最もデータのそろったと言ってよい広島・長崎の被爆者の調査では、原爆投下後の長期にわたる内部被ばくについては、ほとんど評価されていないという指摘があります。 澤田昭二氏:「放射線による内部被ばく」『日本の科学者』2011年6月 また、私たちが過去のデータを集めて調べたところによると、世界には この地図 に示すように、おびただしい数の放射線被ばく事故が起こっています。しかしそのほとんどが軍事機密や国家利権などの壁にはばまれて、事故の概要をはじめ、詳細なデータが知られていません。 つまり、原子力や放射線にかかわる事故は、まさに軍事機密であり、国家にとって莫大な利権の絡む重要な機密事項なのです。したがって、放射線による人体への影響に関しては、ほとんど研究が進められていない、というよりむしろ研究が阻害、ないしは機密にされていると言ってもいいかもしれません。 放射線被ばくによる人体への影響は今でもわからないことが多いのです。 従いまして、まず現在の放射線防護のための線量規準を具体的に知ることと、その規準を守っていれば安全だということではなく、 それはあくまでも目安に過ぎないということを理解しておく必要があります。 放射線から私たちの健康をまもるためには、できる限り人工的な被ばくは 0(ゼロ) がよいのです。
単位について詳しく学ぶには、 沢渡みかげ氏のHP 兵頭俊夫氏のHP などを参照してください。 注1:ただし、これらICRPやICRUなどの組織について、「活動財源は幾つかの関連企業の他、多くの政府機関と国際的組識から提供を受けており、どこの政府にも属さない組織(NGO)である。」(ATOMICA より) つまり、いわゆる原子力開発を推進している「関連企業・政府機関」からの資金援助で運営されている組織であることから、その科学的公平性中立性について疑問視する意見もあります。 |
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