教員用p.5〜6 自然放射線 ↑前のページへもどる

生物と放射線は共存できません!!
   身の回りに放射線が昔からあったとしても、生物にとって放射線が必要なものではなく、基本的に放射線は生き物に対して害になるものです。

■自然放射線って何?
 原子爆弾や原子力発電所から出る放射線とはちがい、人間が作りだしたのではない放射線を 自然放射線といいます。その中には宇宙や太陽や地中からでてくる放射線や食べ物の中にある物質がだす放射線がふくまれます。そのために「生き物は地球上に誕生したときから放射線を受けている」という説明よく聞きます。
 この副読本の説明も、「放射線は今初めて接するものではなく、自然の中に元々あるものだから、何も怖がることはない」ということを言いたいようです。  でも下の図を見てください。この図は、地球が誕生してから現在まで、地球にふりそそぐ宇宙からの放射線(宇宙線)や紫外線(しがいせん)と、地球の生き物の関係をえがいたグラフです。



 図中A :生命が生まれたのは生物に害をあたえる宇宙線がとどかない深い海の底でした。

 図中B :生物が浅い海でも生きられるようになったのは、地球上にふりそそぐ宇宙線をふせぐバリアー( ヴァンアレン帯)ができた後でした。放射線が命に危険にならないくらい少なくなったからです。

 図中C :海の中に酸素を作り出す細菌(さいきん)が生まれると、大気中にたくさんの酸素がたまりオゾン層ができました。植物や動物が海から陸に上がって生きられるようになったのはこのオゾン層が命に危険な紫外線を防ぐようになったためです。

  このようにみてみると、生き物は放射線の害がすくなくなり、命に害をあたえない場所にひろがっていったことが分かります。
  今も私たちが自然の中で浴びている放射線の影響で、わたしたちはガンになったり、その他の様々な影響を受けているのです。     【ここまで、生徒用p.5のコメントと同じ】

■放射線のはたらき
   「放射線は光の仲間に分類できるが、目に見えないもの」と説明されています。しかし、放射線はただ目に見えないだけではなく、光と違って生命に害があることです。その害は「透過力」とあわせたもので、生物の体を通り抜けるときに生物の細胞のDNAを傷つけることです。
  この影響は、低線量であっても起こり、「確率的影響」と呼ばれています。

↑前のページへもどる   検証TOP▲