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放射線の人体への悪影響/ 少しの放射線によるがん |
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「放射線が人の健康に及ぼす悪影響については、まだ科学的に十分な解明がなされていません。」という言い方は問題をごまかしています。貴い犠牲を払いつつ、私たちは貴重な経験を積んできました。広島・長崎をはじめ、アメリカのビキニ環礁核実験による第五福竜丸をはじめとする被ばくの記録などがありますが、長期低線量被ばくの影響は、チェルノブイリ原発事故が参考になります。この副読本ではチェルノブイリ原発事故とその後の影響について全くふれていません。そのチェルノブイリでどのようなことが起こったか、見てみましょう。 ■子どもたちの慢性疾患 ウクライナ 上図のように、ウクライナでは慢性疾患のある子どもの割合が圧倒的です。放射線に敏感な子どもたちは、長期低線量被ばくの影響で免疫力が弱っていて、さまざまな病気にかかりやすくなっています。 ■胎児への影響 ドキュメンタリー映画「チェルノブイリ・ハート」(2003年)の中で、ゴメリ市立産院主任医師のニコライ・フラコフスキー医師は、「健常児は(生まれてくる子どものうち)15〜20%くらいでしょう。」と語っています。現場の産科医が胎児への影響を証言しているのですが、放射線との厳密な因果関係を証明できないために、公式な記録としては扱われていません。 ■放射線の人体への悪影響 ガンだけではないリスク リスクはガン死だけではありません。放射線による障害はチェルノブイリで起こった様々な病気のことを考えてみる必要があります。
「加齢」とは、通常より早く年をとることにより高齢者に特徴的な様々な症状、すなわち、成人病のような諸症状が若年層や子どもたちに現れているということです。 ■保養プロジェクト 低線量でも長期にわたって放射線を被ばくしているチェルノブイリの子どもたちは、免疫力が低下していて、さまざまな病気にかかりやすくなっています。そうした子どもたちを放射線の影響の少ない土地に一時的に転居させると、免疫力が回復して元気になることが実証され、各地のNPOなどがそうした保養プロジェクトに取り組んできました。 参考: チェルノブイリの子どもたち 日本でも、福島の子どもたちを対象に、放射能の影響の少ない土地でのびのび過ごしてもらおうと、各地で保養プロジェクトが取り組まれています。そのような保養プロジェクトの一つとして、Days Japan の広河隆一さんたちが取り組んでいる、NPO法人沖縄・球美の里 の活動を紹介します。
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