p.13-2   放射性物質が・・洗い流すことができます
↑前のページへもどる

   p.5-2 のコメントを再掲載します。

【以下 p.5-2 再掲載】


 いわれのない偏見や差別、風評、いじめ、などこまった問題ですが、「万一、放射性物質が身体や衣服の表面に付着したとしても、シャワーや洗濯で洗い流すことができます。」というのはあまりに放射能を軽く見た表現です。
 汚染地の住民による実体験に基づいたレポート( 2013.1.20.南相馬市安心安全プロジェクト吉田邦博氏)では、1年以上着続けたTシャツなどは、セシウム汚染は洗濯しても下がっていません。
 また、ナイロン製の表面がツルツルした素材の衣類(ジャージ)では、室内に入るときに服の埃を払うとよいとされていましたが、実際にはセシウムの付着は払い落とせないことが報告されています。



 同じレポートには、南相馬市の理髪店で採集した市民の頭髪を集めて測定したところ、130.37Bq/kgのセシウムが検出されたそうです。(2012.10.11.)採集した頭髪をシャンプーで除染を試みたところ、シャンプーでは落ちず、食器用洗剤が有効であったことも報告されています。
 衣服・頭髪に放射性物質が付着すれば、人体に至近距離で放射線を出すわけですから、内部被ばくに準じた影響を受けると考えるべきです。

 放射性物質は、非常に微細な粉塵として空気中を漂っています。何かに付着したときに簡単に落とすことができるとは考えられません。
 例えば、汚染された自動車の除染は極めて難しいといわれています。自動車内部の配管(ラジエーターなど)やフィルター、入り組んだ構造の細かいところまで、放射性物質が入り込んでいるためです。
 兵庫県の郷地秀夫医師【注】は、外気を吸い込みゴミを濾過する自動車エンジンのエアフィルターに目をつけています。事故直後の2011年3月14日に坂総合病院に支援に行った兵庫民医連の車のフィルターを検査すると、3万ベクレルの放射能が認められたそうです。この車は福島の支援ではなく宮城に行くために、原発から60km離れた高速道路を通過しただけだそうです。各地の車のフィルターを集めれば、人間が吸い込んだかもしれない空中の放射性物質による内部被ばくの証拠になるとして、フィルターの収集を呼びかけています。 注:東神戸診療所 郷地秀夫医師 兵庫県内で約35年間、原爆被爆者の治療を続け、福島などから避難している被災者の診断や健康相談にも当たっている。

↑前のページへもどる   検証TOP▲