生徒用p.3-2
大量に発生した水素が爆発
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福島第一原子力発電所の事故の本当の原因は何なのでしょうか? ここにはつぎのような事故のプロセスがえがかれています。 東日本大震災が引き起こした津波→発電設備などが浸水→ 電源が失われた→冷却水ポンプが止まり原子炉冷却できなくなる→水素発生・メルトダウン →原子炉建屋爆発→放射性物質拡散 これまで、さまざまな事故調査委員会の結論では、 津波さえなければ電源喪失は起こらず、原子炉が水素爆発によって破損することはなく 大事故には至らなかったし、日本の原子炉の耐震性は保証されている、というものでした。 (国会事故調査委員の田中三彦氏は、同調査委員会での調査でこのことを疑いましたが、 東電がデータを提供せず、究明できませんでした。田中氏は「科学:2013年9月号」(岩波書店)に 地震原因説の詳細を述べています。) 昨年、東京電力が福島第一原発の過渡現象記録装置(*:注)のデータをようやく公開しました。 その膨大なデータを解析した、元東京電力社員で福島原発の設計・管理に携わっていた木村俊雄氏はつぎのように述べています。 「地震による原子炉停止直後に、本来自然循環するはずの炉内の水が止まっていた。 地震で細い配管の破損が起きた可能性が非常に高い。原因は『津波』ではない。福島第一原発は、 まず地震で深刻なダメージを受けた、という仮説を立てて、私は解析を行ってきた。 見立て通り『地震』で配管が破損していたことがわかった(下記URL参照)」 つまり、過渡現象記録装置のデータ解析によると、福島原発の原子炉は、地震の震動に耐えられなかった可能性があるのです。 このことは、日本のすべての原子炉設計の基準では、日本で起こる地震に耐えることが出来ないということを意味します。 現在原子力規制委員会が原発の再稼働を目指して各原発を審査していますが、 審査基準の元になっている原子炉の耐震性の設計基準が疑わしくなってきています。
木村俊雄氏講演会 13.10.4.(IWJホームページ) 田中三彦氏・伊東良徳氏記者会見 13.8.27.(IWJホームページ) |
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