生徒用p.4-5   浪江小に通う予定だった505名の児童・・・・
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 こどもたちの生活の様子を伝えるこの記述が、文科省の副読本に載ったことは画期的です。
 この記述の背後にある、こどもたちの現実を想像することが必要です。
 緊急事態で地域がバラバラになるような避難の実態によって、大人たちのコミュニティーだけでなく、 こどもたちの人間関係もバラバラになりました。各地の避難場所に散っていったこどもたちの通う学校は、 同じ仮設住宅に暮らすこどもたちの間でも、てんでんばらばらになっています。こどもたちを受け入れる側の 小中学校の準備が間に合わなかったためです。
 副読本の記述では、移転した旧浪江小に残った人数の問題だけが取り上げられていますが、そうしたてんでんばらばらの環境で学校に通わざるをえなくなったこどもたちの心情はどのようなものか、思いやってみることが大切です。
 さらに、こどもたちのこうした実情から、崩壊したコミュニティーを「復興」させることの難しさを考えることができます。

 福島の子供たちの多くは外遊びができません。放射線量が高くて、グランドにいる時間が制限されているところが多いのです。文科省・県教委がグランドでの活動を解禁しても、保護者者がこどもたちの放射線被ばくを心配して、外遊びを控えるように指導していることもあります。思いっきり外遊びができないことで、こどもたちの肥満度が、全国平均 10.0%(児童数660,004人)に対して、福島では 17.4%(8,638人)。全国一です。また、運動能力の低下も確認されています。運動不足が原因ではないかといわれています。


 このような福島の子どもたちを、放射線の少ない他の地域で受け入れて、のびのびと遊んでもらおうという保養プロジェクトが各地で取り組まれています。

チェルノブイリでも、一定期間、放射線被ばくからのがれて過ごすことにより、こどもたちの免疫力も回復することが確かめられています。



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