生徒用p.5-4
社会全体で議論が行われることとなりました
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福島原発事故を受けて民主党政権下で実施された2012年夏の「国民的議論」では、さまざまな手法で市民の意見の集約が試みられました。その結果「少なくとも国民の過半が原発ゼロを望む」とまとめられました。特に、パブリックコメント(パブコメ)では、総数8万9000件以上のうち9割近くが、「原発ゼロ」を選択し、民主党政権下での「革新的エネルギー環境戦略」における原発ゼロ方針の策定には成功しましたが、閣議決定・エネルギー基本計画改定までには至りませんでした。 安倍政権はこれを白紙に戻して、今回2014年4月のエネルギー基本計画では、原発を「重要なベースロード電源」として位置づけ、再稼働させる方針を明確にしました。この基本計画策定にあたって2013年12月から1ヶ月間、経済産業省によってパブコメの募集が行われ、約1万9000件の意見が寄せられたそうです。しかし、寄せられた意見について、原発への賛否について集計せず、その結果を基本計画策定には反映させることもしませんでした。 原発への賛否を集計しなかったことについて、茂木敏充経産相(当時)は2月の国会で「数ではなく内容に着目して整理を行った」と説明しています。 経産省が当時公表したのは個人情報などを削除した2109件だけでした。その後すべてのパブコメを朝日新聞社が情報公開で請求して、独自に分類したところ、総数18,771件のうち94.4%が原発に反対の意見だったそうです。(上図参照) ■朝日新聞2014.11.12. JPG版 放射線副読本の記述では「社会で議論が行われるようになった」と書かれています。 確かに、これまで自分たちが使っているエネルギーが、どこで、どのような犠牲の下でつくられているか、無関心に消費していた人が大部分だったかもしれません。原発事故でそのエネルギーの源に対する国民の関心は高まり、議論も起こっています。 まず、そうした国民の議論を政策に反映させていく道筋をきちんと示すことが政府には求められています。一方私たち国民も、立場はいろいろあるでしょうが、私たちの意見をパブコメなどを通じて公表し、政府に届けていくことをこれからも続けることが大切です。 そのような国民と政府のやりとりを通じて、民主的な社会が築かれていくはずです。 この絵→ をクリックすると、原子力規制委員会のパブコメのページへリンクします。 このキャラクターは"パブコメで未来を変えよう"、HPは●こちら●です。
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