生徒用p.6-3
国の支援のもと・・検査体制が整備
|
↑前のページへもどる |
福島原発事故以来、「国の支援」は十分だったといえるでしょうか。国や都道府県レベルの地方自治体の対応は、ほとんどのところが後手後手に回っていて、住民を安心させるものとはいえませんでした。 例えば、下記のリンクからは、現在でも事故直後(2011年5月)での、住民に最も近い市町村レベルの自治体から国や県に対する要望を見ることができます。 我孫子市HPより 2011.5.17. 東葛6市(我孫子市、松戸市、柏市、流山市、野田市、鎌ケ谷市)による要望 こうした住民の要望に対して、事故の影響をできるだけ過小評価しようとする政府等の対応の結果、初期対応が遅れ、なかなか住民の要望を丁寧にくみ上げることにはなりませんでした。このような初期対応の遅れが、住民の不信感を増大させ、風評被害も拡大させてしまったと思われます。 ■検査点数、圧倒的不足 食品の放射能汚染検査をめぐっては 2012年1月30日の週刊ダイヤモンドに次のような問題点が具体的に挙げられています。 @:牛肉が過半数を占めるなど、品目・地域による食品検査のかたより A:検査機器の圧倒的不足 B:サンプリング数の圧倒的不足 副読本の記述で「米」の検体数が1000万を超えていますが、これは後述するように福島県産米全袋検査の結果です。牛肉と福島産米以外の検体は現在でもあまりにも少なすぎます。 ■福島県産米全量全袋検査 福島県では、福島県産の米が売れなくなる心配から県行政と農協が協力して、2012年8月から県産米の全量全袋検査に取り組んでいます。これにより検査点数は副読本にあるように米だけで1000万点(袋)を超えました。ベルトコンベア式の検査機器を開発・導入し、スクリーニングという手法で検査していますが、その検査方法には問題があります。 当然、政府の定めた新基準で検査していますから、100Bq/kgまでは合格・出荷されます。この新基準の問題点は副読本p.6-2で記載したとおりです。 政府はこうした取り組みにさえも及び腰です。政府は「新基準」だけ決めて、検査の点数も品目も自治体任せです。住民の不安を解消する具体的な手立てを国が主導した形跡は見られません。 政府の姿勢は「知らしむべからず、頼らしむべし」。つまり、「国が大丈夫と言っているから、大丈夫」というものでしかありません。政府がするべきことは具体的な放射能汚染のもっと多くの検体の数値を、政府の責任できちんと測定し公表することです。その方が、市民の納得は得られるはずです。 ベラルーシ・ウクライナでの取り組みはこちらを参照 2013年7月31日 福島民報アーカイブ ■茨城県の取り組み 2011年4月 例えば次のような対応がありました。 「国の要請より先に検査を始めたことで、当初は生産者の農協などから『なぜ、茨城だけそんなことをするのか』と不満が寄せられました。しかし、地道に検査を続けた結果、いまでは『安全性を証明したいから、この品目も検査してほしい』と、生産者側から未検査の品目を持ち込んで来ることのほうが増えました。今後も臨機応変に対応し、検査品目を増やしていく予定です」(茨城県農林水産部農政企画課) 2011.04.14(Thu) 週刊現代 「こんな「被曝食品」調査を信用していいのか」より ■ベラルーシでは? 福島市派遣団の報告2013年8月福島民報 |
↑前のページへもどる 検証TOP▲ |