p.1-11  J:多くの住民が自宅から避難を強いられました ↑前のページへもどる

 放射線線量が高い地域の人々は強制的に避難させられました。原発事故で避難しなければならない事態は真剣に想定されていませんでしたから、ほとんどの人にとっては寝耳に水の出来事で、長くても2〜3日で自宅に戻れるつもりで避難された方が大部分だったようです。また、飯舘村のように、線量が高くてもそのことが知らされず、避難指示が出されるのが1ヶ月以上遅れた地域もあります。
 国際的な放射線防護の基準は、一般人の場合、自然放射線以外の追加被ばく線量限度は年間1mSv以下です。しかし、日本の場合は年間20mSvのところでも避難指示は解除されています。放射線の危険性について心配して、1mSv/年を超える線量の地域から自主的に避難している人々がいます。中には線量をめぐって夫婦間で争いになり、こどもたちの健康を考えてお母さんとこどもたちだけ、別居でもつらい決断でしょうが、離婚して地方に避難している人たちもいます。避難指示が出ていないのに勝手に避難しているという扱いで、生活の補償はありません。避難先の自治体によって無償の住宅提供がされているところもありましたが、2019年にはほとんど住宅提供は打ち切られてしまいました。健康はお金には換えられない、そのような避難者の方々がいることにも副読本はふれてもいいはずです。

        
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