p.1-12  K:慣れない環境の中での生活を余儀なくされました ↑前のページへもどる

 原発事故により避難した方々は、全財産を故郷に残したまま、着の身着のままで避難することを余儀なくされました。
 "慣れない環境のなかでの生活を"送ることになってしまったのは、事故による放射能の危険を避けることと引き替えだったはずです。この副読本の書き方の違和感は、放射線被ばくの危険とはまったく無関係に避難せざるを得なくなった、まるで自然災害の避難と同じレベルで避難せざるをえなくなったというニュアンスしか感じられません。ここでの表現には、人災である放射能汚染事故の避難者の方々であるというニュアンスが感じられません。
 そして、現在、原発事故はまだまだ収束していません。放射線のレベルも平常時の1mSv/年にまでは下がっていないところが多くあります。それなのに、年間20mSv以下ならば安全性に問題はないということで避難指示が解除されていって、避難者に対する補償金と住宅の提供が打ち切られようとしています。
 また、避難指示は出されなかったが、放射線被ばくの危険があったため自主的に避難された人々への住宅提供も各地で打ち切られています。
 被災者の方々の中には、被ばくの危険と隣り合わせの帰還を選択せざるを得ない状況に置かれている人もいます。厳しい生活は解消されていません。

        
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