p.4-3  食べ物に含まれている放射性カリウム40
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 これは、2011年10月に文科省が発行した悪評高い初代『放射線副読本』に載っていた図です。私たちの身体の中にある放射性物質の内、カリウム40は全体の57%ほどの4000ベクレルだそうですし、干し昆布や干し椎茸、ポテトチップスやお米にさえカリウム40が含まれていることがわかります。
 放射線副読本の書き方の問題は、"こうした放射性物質カリウム40が食べ物や、身体にも多く含まれているのだから、多少それが増えてもたいしたことはない"、というような主張が隠されていることです。
 前の項の解説など、これまで何回も繰り返して書いてきたことですが、放射線被ばくはゼロにはできないものの少なければ少ないほどよいということを憶えておいてください。ですから、普通の食べ物の中に普通のカリウムとカリウム40がしかたなく混じっていて、それによって必然的に被ばくするわけですから、それ以上の原発事故由来の放射性物質は食べない方がいいのです。
 今回の放射線副読本でも、またしても同じような"放射能どこにでもある"論が紹介され、こどもたちになにを伝えようとしてるのか、しっかりと読み解く必要があります。
 福島原発事故の直後に、ICRPが日本のその後を懸念して発表したレポートに左のグラフがありました。これは放射性セシウムの例だと思われますが、放射性セシウムを一回だけ1000ベクレル摂取したとき、600日ほどで体内のセシウムは排泄されてほぼなくなりますが、毎日10ベクレルずつ摂取していけば、500日ほどで1500ベクレルに達して飽和していくということです。つまり、少量でもとり続けると体内に蓄積していくので注意すべしということのようです。
 

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