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  福島県における小児甲状腺がんの多発
 チェルノブイリ原発事故の時に小児甲状腺がんが増えましたので、福島県でも2011年10月から事故の時に18歳以下であった人を対象に甲状腺検査を始めました。検査は20歳までは2年おきに20歳を超えたら5年毎に行われます。
 現在(2019年)は4巡目の検査が行われています。表に示すようにこれまでに手術の結果166人ががんと確定しています。小児甲状腺がんは非常に希ながんで、通常は100万人に1人〜3人といわれています。それが約30万人中確定しただけでも166人もがんになっていますから明らかな多発です。
 しかし、福島県では被ばくの影響とは考えにくいとしています。その理由の一つが「身体の中に入った放射性物質から受ける放射線の量を測定する検査の結果によれば、検査を受けた全員が健康に影響が及ぶ数値ではなかった」としているためです。これは、甲状腺がんの原因になる放射性ヨウ素(I131)による内部被ばくのことを指していると考えられます。
 この測定は事故の時18歳以下であった約38万人中1,080人しか測っていませんし、測った場所の線量が高く、測り方に不備があったため信用性に乏しいことが専門家の間でもよく知られています。その結果を基に、"検査を受けた全員が健康に影響が及ぶ数値ではなかった“といわれても納得はできません。
 また、放射線被ばくに由来する甲状腺がん以外の循環器系の疾患、心臓疾患等の様々な病気のデータも出てきています。

福島県県民健康調査甲状腺検査結果 (2018年12月27日 第33回検討委員会発表まで)
       
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