生徒用p.18 退避や避難の考え方 ↑前のページへもどる

 福島原発事故の際に、「パニックを防止する」ということを名目にして、必要な情報が住民に伝えられなかったことの反省は一体どうなっているのでしょうか?
 例えば、放射性ヨウ素がこどもたちにとっては危険なレベルであり、ただちにヨウ素剤を飲用すべきだったことを後になって鈴木元氏(原子力安全委助言メンバー)が公表しました(2011.8.18.朝日新聞)。彼は何回も原子力安全委員会に通知したそうですが、彼の報告は公にはなりませんでした。自治体や県や国も正しい情報を伝えませんでした。そればかりか、事故当時ヨウ素剤を配付し、飲ませようとしたことを、まるでデマのように扱ったメディアがいくつもありました。(読売新聞2011.3.15、2011.3.21) また、ヨウ素剤の服用は必要ないと公言した、御用学者(例えば山下俊一氏:福島県放射線リスク管理アドバイザー2011.3.21.)もいました。
 こうしたことの問題点の指摘・反省なしには、今後の防災計画は立てられないはずですが、こうしたことについての真剣な検討は、未だかつて聞いたことがありません。原子力施設や自治体・政府に対して、緊急時に放射性物質の拡散状況を、住民にどう知らせるか、連絡方法を確保させなければなりません。さらに、その情報の正確さを保証するような仕組みを工夫しなければなりません。
 右の図は、原子力施設の事故が起こったときに、逃げる方向を示したものです。そのときの風向きを測り、風下に対して、直角の方向へ逃げなければなりません。このような具体的なアドバイスが不可欠です。

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