教員用 p.18 医療分野 <診断:CT検査 / PET検査>
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 ここでは医療被ばくによる弊害が語られていません。これらの放射線による医療行為は、被ばくのデメリットよりも、それを上回る治療効果というメリットに対して納得した場合にのみ、行われるべきでしょう。
  日本の医療被ばくは世界一であり、医療被ばくによるがんの発生も、世界平均を大きく上回っているという報告があります。

                        教師用 p.12のコメント参照

 「核医学の検査では、微量の放射線を出す化合物を体内に投与して、体内から出て来る放射線を捉えて診断する方法もある。この場合は、半減期の短い放射性物質を工業的に作って病院に供給している。」

 この検査方法は PET検査:Positron Emission Tomographyという。
グルコース(ブドウ糖)の分子の一部に放射性アイソトープを組み込んだトレーサーと呼ばれる物質を点滴で体内に注入し、がん細胞が活発にそれらブドウ糖を集める性質を利用して、ガンマ線検出器でその場所を特定する。ガンの早期発見に有効とされている。現在、国内では数10カ所の病院などで、この検査を受けることが出来、一部健康保険も適用されることになったため検査機関は増えている。
 しかし、放射性アイソトープを供給するために、1台数億円はするサイクロトロンが必要である上、検査機器も高額で、受診料負担は10数万円にのぼる。集客のために夫婦割引や、旅行パックやゴルフパックに組み込んだりするサービスや、中国など近隣諸国の富裕層を狙った日本ツアーに組み込まれたパックも発売されているという、問題の多い高額医療である。
 放射線被ばく量は大きく、PETとCTを一体化したPET/CT装置を用いた検査が標準的だが、1回の検査における放射線被曝は23〜26 mSvにのぼり、低レベル放射性廃棄物もだされる。
 リスクとベネフィット、さらにはコストとベネフィットをしっかり吟味して考えた方がよい。
                       (生徒用p.15と同じ)

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