教員用 p.19
学習のポイント/指導上の留意点
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「身の回りの放射線による被ばくの例や放射線によってがんになるリスクなどのデータを基に、放射線を受ける量と健康への影響について学ぶ。」という記述があるが、これは要するに「100ミリシーベルト以下の低い放射線量と病気との関係については、明確な証拠がないことを理解できるようにする。(留意点)」ということを教えることがポイントであるようだ。 しかし、この記述に関しては文科省の姿勢は矛盾している。文科省が各所でその権威を引き合いに出すICRP(国際放射線防護委員会)の勧告を、この副読本自身が教師用指導書21ページで引用している。すなわち「(100mSvまでの被ばくの場合でも)、安全側に立って、ごく低い放射線量でも線量とがんの死亡率との間に比例関係があると考えて防護するように勧告している。」 つまり、ICRPは「100mSv以下の低い放射線量と病気との関係について、比例関係があると考えて、防護策をとるように。」と勧告しているのである。 この部分は、どうも文科省は気に入らないようである。 低線量でも比例関係が成り立つという考え方は「しきい値なし直線説(LNT)」と呼ばれるが、文科省や日本の「放射線ムラ」(原子力ムラと同じように、放射線にかかわる利益集団?が存在する。)は、 「しきい値なし直線説」に異を唱えている。しかし、上表に示すようにICRPを含むいくつもの国際的機関が「しきい値なし直線説」を認めている。日本の対応は世界の孤児となりつつある。 日本では、白血病になった原発労働者が、年5mSv以上、合計40〜50mSvの被ばくで労災と認定された例がある。 |
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