p.11-3   放射線から身を守る
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 放射線から身を守るには、放射線のある場所に近寄らないことが第一です。
 この放射線副読本には、どんなところが放射線が強いか、どんなところに放射性物質がたまっているかについて具体的な情報がまったくありません。いまこどもたちに必要なことは、事故由来の放射性物質が身の回りにある環境で、どうやって被ばくを避けて暮らしていくか、そうした日常的に注意しなければいけないことを、きちんと心得ることです。

   たとえば、右の絵のように、身の回りに放射線量の高いところがあり、除染しても仕切れないところがありますから、そうしたところには出来るだけ近づかない方が無難です。
また、背の低いこどもたちは汚染されてしまった地面に近い場所を歩くので、大人より放射線の危険にさらされることがあります。


■福島で放射線量を測定してみたら・・・
 福島県で活動している NPO法人シャローム の吉野裕之さんは、HOT SPOT FINDER という測定器を利用しています。(左写真)          クリックすると大きく表示↓
 これは、専門家が使う精度の高い測定器を3つ連動させ、子ども用のベビーカーに乗せ、地上高10cm、50cm、1mの3点の放射線量を同時に測っています。GPSと連動させて地図や衛星写真に測定値を1秒ごとに自動で記録していくというものです。測定場所のビデオ画像や写真を撮ることも出来、数値は線量に応じて色分けされます。

測定画面↓ 左上の数値は上から地上高1m、50cm、10cm。ビデオ画像・測定値・GPSがリンクしている。画面上にカーソルを乗せてみてください。

 ベビーカーが本体ですから、乳幼児と同じでどこにでも連れて行って(持って行って)測定できますし、子どもが被ばくするのと同じ、10cm・50cmの高さの線量を同時に記録することができます。その場所の画像や衛星写真とともに数値が記録されるので、どこの線量が高い(低い)のか、視覚的・具体的に見ることができます。

■意外なところにホットスポットが・・・・
 この測定器で福島市周辺各地を測定している吉野さんによると、次のようなことが明らかになっています。

@:一般に発表される空間線量は、ほとんどがモニタリングポストで計測された地上高1mの値です。1mの値が低くても、同じ場所で地上高10cm・50cmで測ると、より高い線量が記録されることがあります。

A:道路の真ん中は、放射性物質が流れやすく、アスファルトも硬いので線量が低く、こどもたちが歩く道路のはじや歩道の方が線量が高いことが多いそうです。こどもたちには、自動車に気をつけながら、なるべく道路の真ん中を歩くようにすすめたいくらいだそうです。

B:道路上で注意すること。路面の舗装状態により道路と側溝との間のミゾや敷石の継ぎ目・亀裂、透水性舗装などに放射性物質がたまりやすく、除染もしにくいことから、局部的に線量の高いホットスポットがあるそうです。
(上・左写真の"ミゾ"、歩道敷石の継ぎ目)



C:通学路など、こどもたちが歩く道路を調べてみると、同じ目的地へ行くのにも線量の高い道・低い道があることがわかります。線量の低い道を選んで通るようにすれば、被ばくを少なくできるはずです。

写真提供は、NPOシャロームの吉野裕之さん




 下の柚木ミサトさんの絵を参考に、こども目線で考えてみましょう。



 


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