p.7-1  放射線を使って体の中を写す
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 放射線は身体の中を透過するので体内の構造を見ることができます。そのため発見されてからすぐに医療への利用が始まりました。
↓ゲオルグ病院に建てられた被ばく犠牲者の碑   

 しかし、はじめは放射線が人体に与える有害な作用が知られていなかったために,医療従事者は放射線を浴びながら診療をしていました。その結果多くの医師や看護師、技師が被ばくしてがんや白血病で亡くなりました。初期になくなった168人の被ばく犠牲者の記念碑がハンブルグのゲオルグ病院に建てられています(写真)。医学はこのような犠牲を伴う経験により放射線被ばくのリスクを学びながら進歩してきたのです。
 現在ではCT機器など、より精密な機器が進歩し,一般の患者の被ばくの機会が多くなっています。特に日本は世界にあるCT機器の1/3を所有していますので、検査による被ばくが突出して多く、医療被ばくによる発がん数も世界で一番です。放射線検査は必要最低限に抑えるよう、医師も患者も気をつけなければなりません。

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