教員用p.8 ものを通り抜ける働きを利用 ↑前のページへもどる

 皆さんはお医者さんにかかったときにレントゲン写真をとられたことがあるでしょう。日本にいる人でレントゲン写真を一度もとられたことがない人はまずいないでしょうね。
 日本のお医者さんはレントゲン写真をすぐにとりたがります。簡単に撮影できるし、簡単に診断ができるからでしょう。でもそのために日本人が医者の診療などによって放射線を浴びている量は世界でダントツの1位です。
 日本人の医療被ばくを世界で一番にしている大きな原因はCT検査です。お医者さんが安易に行うCTなどにたよる医療行為が問題になっています。CT検査による被ばく量は、一般人の年間被ばく限度量1ミリシーベルトをはるかに上回り、1回で5〜8ミリシーベルトの被ばく量です。放射線被ばくによるデメリットと、治療に役立てるメリットをよく考えて利用することが大切です。

 中学校生徒用p.13bの注も参照。
 このグラフから見るとおり、日本での自然放射線による被ばく量は、1.48mSvであり、世界平均の2.4mSvよりも少ない。にもかかわらず、年間の被ばく量は、世界平均よりも多く、その原因は医療被ばくが世界平均の4倍近くに達しているためである。 これについて、2005.2.10. 読売新聞には次のような記事があった。

生徒用p.17の注と同じ引用
日本人のガン、3.2%は医療被ばく (記事の要約)
            英国医療専門誌 ランセント報告  2005.2.10. 読売新聞
 日本国内でがんにかかる人の3.2%は医療機関により放射線診断で 被ばくが原因のがん発症と推定されることが、国際的研究で明らかになった。
 英国オックスフォード大学チームが、15か国を対象1991−96年調査、 日本の医療診断によるがん発症がもっとも高いと判明。
 CTの高い普及度が背景。2004年:国内に7920台配置。
 日本国内での医療診断によるがん発症は7,587件でがん発症者の3.2%。
  (英国では0.6%、米国では0.9%)
 日本の検査数は15か国平均の2倍近く、がん発症は2,7倍。

 日本:CT検査装置の普及進む。人口100万人当たり64台で最高、 次位のスイスでさえ26台程度。  検査をすればするほど 医師の収入増につながるが、CTの過剰検査は要注意。 超音波など害のない診断への移行が望まれる。

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