原子力事故@

●この章の内容●

   1,チェルノブイリ原子力発電所の事故(1)
   2,チェルノブイリ原子力発電所の事故(2)

 チェルノブイリ事故は終わっていない
 原子力による被害と他の災害のちがい
   3,原発震災
   4,回復しない被害

 これまでに起きた大きな事故
   5,■ウラルの核惨事
   6,■ウィンズケール(セラフィールド)
   7,■スリーマイル島原子力発電所




 


   チェルノブイリ原子力発電所の事故(1)


 原子力発電所などに大きな事故がおきたら、わたしたちの命や生活はどうなるでしょうか?
人体や生物の命に害をあたえる放射線や放射性物質が環境にまきちらされます( 図1 )。もしそこに人や動物がいれば、たくさんの放射線をあびて死んでしまいます。



 これまでに起きた原子力発電所のいちばん大きな事故は、1986年4月26日に起きたチェルノブイリ原子力発電所の事故です。みなさんがうまれるよりもずっと前のことですね。

 左は爆発してメチャメチャにこわれた原子炉を上からとった写真です。もっと近くで横から見た写真は 京都大学原子炉実験所(原子炉研)のホームページ で見ることができます。

 こわれた原子炉から放射性物質がふきとばされ風にのってひろがるようすが上の図です。放射性物質をたくさんかぶると死んでしまいますからこれを死の灰ともいいます。
 この死の灰で汚れた地域を日本地図と同じ縮尺しゅくしゃくで書いたのが図2です。これからわかるようにもし同じような事故が日本の原子力発電所でおきると、日本中ほとんど安全に住めるところがなくなりますね。




 チェルノブイリは現在の ウクライナ にあります。その時はこのあたり全部(ウクライナ、ベラルーシ、ロシア連邦れんぽう)がソビエト連邦という国でした。ソビエト政府は事故が起きたことを秘密にしようとしました。しかし、4月27日に1000キロメートル以上も離れたスウェーデンで放射性物質が見つかり、事故をかくすことができなくなりました。5月3日には8000キロメートルもはなれた日本にも放射性物質がふってきました。

 このように事故で環境中に放出された放射性物質は風にのって世界中を汚染します。




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