原子力事故C

   チェルノブイリ事故は終わっていない
    原子力による被害と
         他の災害の違いA


■回復しない被害

 原発震災など、原子力施設の事故により放射性物質で汚染された土地ではながいあいだ農作物も作れませんし、人も住めなくなります。
 写真はチェルノブイリ事故のために全員が避難させられたプリピャチ市内の、住む人がいなくなった家や、病院や学校です。人々があわてて避難したようすがよくわかると思います。市内全体にこのような場所がたくさん残されています。まえのページの阪神淡路大震災はんしんあわじだいしんさいと比べてみてそのちがいを考えてみてください。



プリピャチ市の放置された民家



廃墟(はいきょ)になった遊園地

  

elenafilatova.com より



 ウクライナは世界の穀倉地帯こくそうちたいといわれているように農作物がたくさんとれるところです。しかし、そこも放射性物質で汚れてしまったために、いまでは農業をすることはできません。その期間がどのくらいつづくのかは、汚染した物質の種類や程度によります。みなさんやみなさんの孫が生きている間に元にもどるでしょうか。

 事故処理のところで書いたように原子炉の火事の消火や、汚れた土や建物の処理のために百万人以上が働きました(ザ・サクリファイス参照)。彼らが使ったたくさんの車、トラクターやヘリコプターも、放射性物質でひどく汚れました。それらはもうどうすることもできずに野ざらしになっています。トラクターやヘリコプターの墓場はかばのようですね。


( ←↑毎日新聞大島記者撮影)



   
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