原子力事故B

   チェルノブイリ事故は終わっていない
    原子力による被害と
         他の災害 さいがい のちがい@

■原発震災げんぱつしんさい
 地震、洪水こうずい、竜巻たつまき、火事など災害にはいろいろあります。また、世界ではイラクや、パレスチナ、アフガニスタンのように戦争によって街全体がこわされてしまったところも数えきれないほどあります。でも、これらの災害による被害とチェルノブイリ事故のような原子力による被害とはまったくちがうところがあります。それは何でしょうか?
自然の災害や戦争でも(もし核兵器が使われなければ)それがおわれば、その後にすぐに人が入り、こわれた建物 たてもの を取りこわし、新しく建て直すことができるようになりますよね。


↑ 阪神淡路大震災のときの様子 →
撮影:松岡明芳 WikimediaCommonsより


 1995年1月17日に阪神淡路大震災 はんしんあわじ だいしんさい で6434人が亡くなり15000人以上が負傷ふしょうするという大惨事だいさんじがありました。地震の被害を伝える動画は次のリンクから見ることができます。
【リンク 1, 2, 3,

 この震災は大変なことでした。
 でもこのときはたおれた家の下に人がいることが分かれば、近所にいる人たちや救助隊員きゅうじょだいいんが力を合わせて、左の写真のように助けることができましたし、食べ物や飲み物を運んで救助することもできました。ただし、すぐに救助に動ける人が足りなかったことも事実です。直接建物の下じきになって死んだ方もおおぜいいますが、救助されてケガはしても命は助かった方もいます。
 震災後16年、神戸とその周辺の街は力強く復興ふっこうしています。
【リンク】



 しかしもしこの地震が、いつ地震が起きてもふしぎではないといわれる静岡県しずおかけんの沖合おきあいの海で起きたら・・・・、そしてそれによって、近くにある浜岡はまおか原子力発電所に事故が起っていたらどうなっていたでしょうか・・・・。
 ここで起こる地震は東海沖地震 とうかいおきじしん といわれています。近い将来必ず起こるといわれていて、震度6〜7にたっする巨大地震です。浜岡原発は予想される震源地帯のど真ん中にあります。



 地震により原子炉が破壊され、中の放射性物質がもれだしたら、空気も水も建物もすべてが放射性物質で汚れてしまいます。地震のとき助かった人もその場所から逃げなければ、放射線で命に危険がせまります。
 救助が必要な人がいても普通の服装ふくそうでは行けません。放射線をふせぎ放射性物質のついたチリを吸いこまないような防護服ぼうごふくを着なければなりません。原子力発電所で使う右のような防護服は放射線をふせぎませんから完全とはいえませんが、それすら充分な数はないのです。
 ですから、普通の災害だったら助けられた人も、助けられないでしょう。その上、放射性物質をあびた人が避難するばあいにも、身体についた放射性物質がまわりの人や物を汚すかもしれないため、自由には逃げることはできません。このように地震によって原発事故が引き起こされた場合は、地震の被害の他に放射線の被害がくわわりますので、これを原発震災といいます。

原子力による被害と他の災害の違いAへ つづく




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